一枚の布をボデイィに添わせて鋏を入れ、ピンでとめながら衣服を造形していく方法は、それほど難しいものではない。それは子供たちが砂場に自分のイメージの山や城を作るのとなんら変わることはなく、砂が布に変わっただけの話である。つまり、目に見えている物、又は頭の中のイメージでもよいが、それらを前後左右からしっかりと見る力こそが何よりも大切なのである。

 

今日のプレタポルテや通常の量産システムでは見えない客の姿をある程度予想して服作りをしているわけで、これは実は非常に難しいことである。その反対にオートクチュールではその服を着る人がすでにいるわけで、その体型にあわせ造形することははるかにリスクが少ないとも言える。

 

そのため、今日の立体裁断ではボディを使って造形はするが、ボディのための服を作っているのではなく、布とボディの間に空間を作ることによって、見えない客の異なる体型を包み込むたための許容量と運動量を付加しなければならないことを忘れてはならない。

 

以下に簡単な作例を紹介する。

 

 

バイアスを使って体にフィットさせ、襟元にダーツ処理を兼ねたドレープを寄せる。

90X90cm布にバイアスの前中心線を入れ、50cmの切込みを入れ、ポイントAとする。

1、中心線やウエストラインを入れたボディにデザイン線を入れる。

2、前後のバランスを確認しながらバックのデザイン線を入れる。

3、バイアス線上に入れた切込みポイントAを襟ぐりから7〜8cmの前中心上にとめ、バイアス線と前中心線をあわせる。

4、ウエスト下の縫い代を切り過ぎないように注意しながら整理する。

5、バストポイント(BP)を中心にダーツ分量を肩上へ移動しておく。

6、ウエスト下の縫い代に切り込みを入れながらボディに布をそわせ脇をとめる。

7、脇線からさらに縫い代を整理しながら背中心まで布をそわせる。

8、背中心、デザイン線、アームホールに多少の縫い代を残して布を整理する。

9、肩上のダーツ分量を前中心の切り込み付近まで移動する。

10、ダーツ分量をいくつかのドレープに整え、襟元のデザインを確かめる。

 

 

11、アームホールから肩上、首周りの余分な布を整理する。

12、縫い代を整理した状態でもう一度ドレープを確認し、首後ろの中心線を記しつける。

13、布をボディーから下ろして各線を定規を使って引き直し、右身頃を左見頃にコピーしてボディーに着せ付け、バイアスに断った別布で襟元のドレープを整え、出来上がり。